5Gで変わる未来
最近よく耳にする「5G」という言葉をご存じだろうか?
大抵の人は通信規格の最新版、4Gの進化系などとザックリとしたイメージはつくものの、具体的な内容までは想像できないだろう。今回はその「5G」が一体どのようなものなのか?本記事で掘り下げていきたいと思う。
そもそもGって何?
Gとは「Generation」の略称であり、つまり世代を意味し4Gは第4世代移動通信システム、5Gは第5世代移動通信システムを意味する。
現在では第4世代であるLTEが主流であるが、2020年春ついに日本に第5世代が登場するという訳だ。
4Gと5Gの違い
そもそも4Gと5Gの違いとは何なのか?ポイントとしては大きく分けて3つある。
①通信速度が格段に上がる
②超多数端末接続の可能化
③超低遅延
通信速度が格段に上がる
5Gのもつ通信速度は4Gの約100倍以上になるといわれている。4Gなら10秒かかるデータ通信も5Gなら0.1秒未満で終わる計算になる。
コンテンツ表示やダウンロード時の待つ時間が格段に少なくなるのは利用者にとって非常にありがたいことだろう。
4Gの通信速度の速さは約27Mbpsと言われ、一般家庭の高速ブロードバンド通信の速度は96Mbpsと言われている。それに比べ5Gは762Mbpsにもなるといわれ、見てわかる通り光回線もいらなくなるようなレベルの速さだ。
これにより今までではウェアラブルデバイス、つまりスマートフォンやパソコンの娯楽や動画だけでなくセキュリティ、医療、教育も含め様々な分野のニーズがより一層高まると予想される。他の産業も大きく進化していくだろう。
超多数端末接続の可能化
IoT(Internet of Things)の普及に伴い現在は「人対人」の通信やサーバー上のコンテンツを利用するのが主要となっているが、
「物対物」の通信に対する期待が高まっている。
多種多様な分野に対して一つの通信モジュールを設置することによって、利用者の利便性の向上、コストの削減が期待されている。
またスマートフォンやパソコンだけでなく、家電やセンサーなどの身の回りの機器をコンピュータが管理する時代も近くまで来ているのかもしれない。
超低遅延
制御に対するレイテンシーが無くなることによって機器に対する信頼性が高まると予想される。例えばロボットの遠隔操作や車対車の通信による事故の回避などが可能になる。
建築機械など現場に行かずとも、作業が行えるなどの可能性も非常に高い。
実現可能につながる産業の未来
【製造業】 自動化・人工知能を駆使したスマート工場
【エネルギー・電力】 管理効率の向上 エネルギーコストの削減
【農業】 IOT技術を使った水やりや肥料散布の管理 自動化
【小売り】 VRでの試着や店舗や自宅でのAR体験
【金融サービス】 窓口業務のデジタル化 遠隔化
【メディア・娯楽】 モバイル広告 動画サービス向上 AR/VRの普及
【医療】 患者の詳細データの共有 遠隔操作によるロボット手術の質の向上
【運送業】 交通システムの状況の可視化 車両同士のリアルタイムの大量情報の交換 安全性向上
【教育】 AR/VRの運用 遠隔リアルタイム授業
スマートフォン市場の動き
我々が最も身近で影響を受けるのはやはりスマートフォンだろう。対応機種や現在使っている端末の買い替え必要可否なども気になる点だと思う。
2018/10/3に総務省で「第5世代移動通信システムに関する公開ヒアリング」が行われた。その場でNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクが2019年に5Gサービスを開始する発表をしている。(楽天は2020年からサービス開始)
中でもNTTドコモは9月18日、9月20日にスタートする「5Gプレサービス」において利用する端末を発表した。しかし5Gプレサービスでは、これらの環境にむけて試験端末となるスマートフォン3機種とデータ端末1機種が合計7000台用意されたが、これらの端末は一般販売見通しだ。
5Gに対応するにはスマホの買い替えは必要か?
結論から言うと現行の機種は5Gに対応していないため買い替えは必須になるだろう。
しかし5Gのサービスが開始されてもいきなりの4G回線が無くなるわけではなく、しばらくの間は4Gと5Gの同時運用とされることだろう。
契約プランにも影響がでてくると予想されるため今後の方向が気になるところだ。
まとめ
いかがだっただろうか?5Gの普及により想像の中でしかなかった未来予想図が現実になり始めている。様々な業界でコンピュータが普及し自動化が進み利便性が向上される反面、
人間の必要さが無くなる恐ろしい未来にも見えなくはない。とはいうものの使う側としては間違いなく便利で住みやすく安全性が向上されることだろう。
5Gの普及でこれからどんな世の中になっていくのか?どんなテクノロジーが生まれてくるのか?今後の世の中の変化に期待していきたい。